後編です。読み始める場合は前編からどうぞ。
KP1「……由上は火谷へ手を伸ばした。だが、その焦り故にか、フルートを掴むために
伸ばした手を、それを払うように動かしてしまう。結果、フルートは火谷の手から
離れたものの、ステージに勢いよく落下し、奇妙に歪んでしまう。
その光景を見た衝撃で、由上は呪文を最後の最後で、止めてしまうだろうな。……だが」
PL2「……だが?」
KP1「突如、由上は悲鳴を上げる。それは、探索者たちが散々耳にした、あのおぞましい
フルートの音色に非常に酷似しているように感じるだろう。……そして、その悲鳴、
否、『音色』に合わせるかのように、彼女の背後の空間が大きく歪んでいく。
……次第にその歪みは小さくなり、探索者たちはそこに、奇妙な精神のない踊りを
踊る多くの異形の影を見ることだろう。そして、その中央には、由上の奏でる悲鳴に
合わせるように、その不定形の体を絶え間なくくねらせているものが存在していた。
……探索者たちは、その不定形の存在を目にした瞬間、例えようもないおぞましさと
恐怖を感じることだろう。探索者たちは本能的に、それが忌まわしい存在であると
理解するはずだ。
ただし、その光景をはっきりと目にしていたのは、ほんの数秒でしかない。瞬きを
する間にその光景は消え、また、由上もステージに膝をつく。……遠目からでも
分かるだろう。彼女はこの数瞬のうちに、干からびたミイラのような姿になっていた。
まるで、命を全て搾り取られたかのように。そして、そんな彼女を見た者たちは皆、
彼女が息絶えていることを察することだろう。
……というわけで、恐るべき異形の姿を目にしたことと、由上の異常な死を目にした
ことにより、1d6+2/1d20+2のsanチェックだ」
PL5「あ……あれ? 思ったより少ないね?」
KP1「今回見たのは「影」だからな。直接ではなく、フィルター越しに見た……という
ことで多少手心を加えている」
PL2「直接見たらどうなってんだそれ……」
PL6『1d10/1d100』
PL4「それは……津木がロストするな」
PL1「今回でも大分ヤバそうだがな」
PL3「とりあえず振ればいいんだろう」
天原 sanチェック 56/11 → 成功
1d6+2 → 4
san値 56 → 52
黒羽 sanチェック 75/91 → 失敗
1d20+2 → 19
san値 75 → 54
竜崎 sanチェック 44/6 → 成功
1d6+2 → 5
san値 44 → 39
津木 sanチェック 27/21 → 成功
1d6+2 → 3
san値 27 → 24
井砂 sanチェック 94/1 → 成功
1d6+2 → 4
san値 94 → 90
火谷 sanチェック 33/31 → 成功
1d6+2 → 7
san値 33 → 26
PL2「あっはははははは……ははは……………………はぁ」
KP1「黒羽は不定入りだな。それと、一時的発狂か」
PL1「スタート時80台の不定入りか……」
KP1「さて、狂気の処理を行おうか。まずは、黒羽、竜崎、火谷の<アイディア>だ」
黒羽 アイディア 75/33 → 成功(発狂)
竜崎 アイディア 80/79 → 成功(発狂)
火谷 アイディア 75/61 → 成功(発狂)
PL5「全員一時的発狂かー……」
KP1「黒羽から発狂の種類と期間を決めてくれ。それと、<クトゥルフ神話>に+2だ」
PL2「はーい……」
黒羽 一時 1d10 → 3(肉体的なヒステリーあるいは感情の噴出)
期間 1d10+4 → 13
不定 1d10 → 6(制御不能のチック、震え、あるいは交流不可)
期間 1d6 → 1ヶ月
黒羽 クトゥルフ神話 13 → 15
PL2「うわー……んじゃ、えぇと、震えながら由上さんをなおそうとするかな。無理
なんだけど、そんなこと考えもしない感じでひたすら<医学>やる感じ?」
KP1「続いて竜崎だ。<クトゥルフ神話>に+1も忘れずにな」
PL3「分かった」
竜崎 一時 1d10 → 8(反響動作あるいは反響言語)
期間 1d10+4 → 10
竜崎 クトゥルフ神話 7 → 8
PL3「これは?」
PL5「周りの人の動きや言動を反復するんだよ」
PL3「ふむ」
PL6『最後は火谷だね。<クトゥルフ神話>も+1か』
火谷 一時 1d10 → 8(反響動作あるいは反響言語)
期間 1d10+4 → 14
火谷 クトゥルフ神話 7 → 8
PL6『おや一緒。火谷は、黒羽か井砂の言動の反復だね』
PL1「思ったよりはましな発狂ばかりか」
PL4「戦闘中に発生、というわけでもないから、多少は余裕をもって対処できるな。
……光景が消えるのと同時に、津木は近くにいるだろう天原と竜崎に声を掛けよう。
「二人とも、無事か?」」
PL1「「……あぁ、どうにかな」」
PL3「「あぁ、どうにかな」」
PL4「「それは良かった、が……」」
PL3「「それは良かったが」」
PL1「「……竜崎?」」
PL3「「竜崎?」」
PL4「「……様子がおかしいな」」
PL3「「様子がおかしいな」」
PL1「「……黒羽に診せるか」
と言って黒羽の方に竜崎を引っ張っていく」
PL3「となると、竜崎は「黒羽に診せるか」と呟いて、津木を引っ張って行こうとするのか」
PL5「そんな感じそんな感じ」
PL4「……なぜ自分が引っ張られているのかという疑問はあるが、行く先は同じだから、
今は大人しく引っ張られていようか」
PL2「んで、一方そのころ、黒羽は由上さんをなおそうと何度も<医学>を試みてるわけか」
KP1「震えているからすべて自動失敗だがな」
PL2「まぁ、そんなの知ったこっちゃない感じだろうし」
PL5「井砂はそんな黒羽を見て、「だ、大丈夫ですか?」って言って肩を揺するよ」
PL2「止まらず由上さんに<医学>だな、うん」
PL6『火谷も井砂のまねをして、「だ、大丈夫ですか?」って言って、黒羽の肩を揺する』
PL2「反応なしだな」
PL5「<精神分析>、あるんだけど、六割は少し怖いな。……あ、仁戸さんは? 頼めない?
なんかすごく成功してたし、技能値高そうだけど」
KP1「仁戸ならいつの間にかいなくなっているな」
PL5「え、えぇぇぇ……!?」
PL6『何時の間に』
PL4「津木は比較的仁戸の近くにいたと思うんだが、いつごろまで一緒だったか分かるか?」
KP1「例の光景を見始める前までは一緒だった気がするだろうな」
PL1「……怪しいことこの上ないが、いないのなら今はどうもできないな。井砂に頼む
しかないように思うんだが」
PL5「うーん……じゃあ、黒羽に振るよ。失敗したらごめんね。
「……黒羽さん、しっかりしてください!」って感じで」
井砂 精神分析 61/17 → 成功
KP1「では、黒羽は落ち着きを取り戻す」
PL2「「……あ、あれ? 俺何して……?」」
PL6『「黒羽さん、しっかりしてください」』
PL2「「あ、え、うん、分かったけど」」
PL6『「あ、え、うん、分かったけど」』
PL5「「火谷? どうしたの?」」
PL6『「火谷? どうしたの?」』
PL2「「……あー、こいつもまいったのかな。……大丈夫か? もう、嫌な物は無いぞ?」
って感じで<精神分析>な」
黒羽 精神分析 90/54 → 成功
PL6『「あー、こいつもまいったのかな。大丈夫か? もう、嫌な物は無いぞ……無い?」』
PL2「「無い無い。変な光景は無くなったろ」」
PL6『「……うん」』
PL5「「……もう、大丈夫?」」
PL6『「大丈夫……だと思う」』
KP1「この辺りで天原、竜崎、津木の三人が直ぐ傍に来るな」
PL1「「黒羽、こいつも診てくれ」」
PL3「「黒羽、こいつも診てくれ」」
PL2「「あー、お前もか……しっかりしろよな。もう終わったんだから、落ち着けよ」
ってわけで、<精神分析>」
黒羽 精神分析 90/80 → 成功
PL3「「もう……終わった? か?」」
PL2「「と思うんだけど」」
PL3「「…………外の鳥もどきは?」」
PL5「「……あ」」
PL6『ちょっと待って、あれもどうにかしないといけないやつ?』
PL5「ど、どうだろう……フルートが呼び出したとか言ってたし、あれが壊れたら退散
するんじゃないかな、とは。あれ、でも、フルートが壊れたことによってコントロール
が不可になって暴れだすとか……? ……あの鳥見たことがある井砂と竜崎で、
ちょっとロビーまで行ってこようか? 他の人たちは坂原君のいる部屋に避難して
おいてさ」
PL1「ムーン=ビーストがまだいる可能性は? 津木を連れて行くか?」
PL3「<投擲>なら竜崎も持っている。津木は大人しくしておいた方が良いだろう」
PL5「san値的にね……」
PL4「まったくだな……」
PL2「……そういえば、坂原君にさ、由上さんどこだろって言われてホール見に来たん
だよな。……なんて言う?」
PL1「ありのまま言えばいいだろう。坂原も片足を探索者側に突っ込んでいるような人間
だしな、ちゃんと説明できれば受け入れると思うが」
PL6『その辺りは、後で井砂と火谷で話すことにする。今は、由上さんが死んだとだけ
伝えておこう』
PL4「それでいいと思うぞ。……壊れたフルートは床に落ちているのか?」
KP1「落ちているな。もう使えそうにはないな。……拾って<目星>でもするか?」
PL4「そうだな、天原に見せつつ二人で<目星>だ。良いか?」
PL1「<目星>は高いからな、構わない」
天原 目星 84/88 → 失敗
津木 目星 31/54 → 失敗
PL1「……他のやつらにも見せるか。「おい、これを見てみろ」と」
PL2「他に言い様あるだろそれ」
黒羽 目星 72/76 → 失敗
竜崎 目星 49/35 → 成功
井砂 目星 55/84 → 失敗
火谷 目星 28/29 → 失敗
PL6『残念、一足りない』
PL3「竜崎だけ成功か」
KP1「では、竜崎はフルートに奇妙な模様が彫られていることに気付くな。……続けて
<アイディア>だ」
竜崎 アイディア 80/36 → 成功
KP1「成功なら、竜崎はその模様を以前にも見たことを思い出す。……坂原と出会った
事件の際、彼が持っていたあのトランペットにも、それは刻まれていた」
PL3「共有だな。全員に伝える」
PL2「わー……もうなんかやばいな。楽器見るたびに疑いの目向けそう」
PL5「そこまではいかないけど、やっぱちょっとなぁ……」
PL1「そのトランペットというのが大変な危険物、だったんだったな」
PL6『そうそう。だから今回も、それと同類? みたいな感じで少しげんなり』
PL4「置いていく、のはだとすると少し怖いか。持って行くぞ」
KP1「この後は、井砂と竜崎がロビー、天原と黒羽、津木、火谷が坂原のいる控室に
行く、と言うことで良かったか?」
PL5「合ってるよ」
KP1「では、先にロビーの方からいこうか。二人はどうやってそこまで行く?」
PL5「一度舞台袖から外に出て、廊下を通って……かなぁ。観客席を突っ切って行く
気はちょっと起きないよね」
PL3「そうか?」
PL5「そうだよ……」
KP1「では、難なくロビーに着けたとしようか。その途中で、何らかの神話生物をに遭遇
することはなかった。……さて、ロビーは閑散としていて、人の姿は見られないな。
しん、としていて、静寂そのものだ」
PL5「ガラス壁に寄って、外を見るよ。鳥はいるかな」
KP1「<目星>だな」
竜崎 目星 49/51 → 失敗
井砂 目星 55/21 → 成功
KP1「では、井砂は、巨大な鳥が遠くへ飛び去って行くのを視認で来たな」
PL5「どこかいった、みたいだけど……あれ、これって別の場所で大惨事になる予感?」
PL3「追いかけるのは無理だな?」
KP1「無理だろうな。相手は飛んでいることもあるし、もう距離もある」
PL5「……とりあえず、鳥がどこかに行った、ってことは確認できたね。天原たちと
合流して、共有しようか」
PL3「それで構わない」
KP1「では一方、坂原のいる控室の方だな。天原、黒羽、津木、火谷はこちらに来たとの
ことだが……火谷の姿を認めるや否や、坂原が駆け寄ってくるな。
「火谷、由上さんはどうし……って、天原さんその怪我なんですか!?」」
PL1「……あぁ、そういえば、坂原が天原のけがを見るのはこれが初か。
「少しへまをしただけだ、動けないことはない。気にするな」」
KP1「「そ、そうなんですか……? あ、椅子あるんでどうぞ座ってください」」
PL1「「大丈夫、なんだがな」」
PL2「「まぁ、大人しく座っとけって、重傷人」」
KP1「「……それで、火谷、由上さん……」」
PL6『「詳しくは井砂と、三人で話すけど……駄目だった」』
KP1「「……そっか。由上さん……あれ、津木さん、そのフルートって」」
PL4「「彼女のフルートだな。ただ……少し、こちらで預かりたい」」
PL6『例の模様を指さしながら、「……駄目かな」っていう』
KP1「なら……そうだな、あのトランペットの持ち主だった坂原だ、模様についての
<アイディア>は不要としよう。ただ大きく目を見開いて、ひどく悲しげに頷いた。
「……あぁ、分かった。でも、後でちゃんと、全部教えろよ」」
PL6『「分かってる」』
KP1「さて、ここで、黒羽の肩をとんとんと叩く手があるな」
PL2「……? そっち見るけど」
KP1「では、そこに、にこやかな笑顔を浮かべた仁戸がいるな」
PL2「「……仁戸さん!?」」
KP1「「えぇ、仁戸です。……すみません、途中でホールから出てしまって。ただ、少し
嫌な予感がしたものですから、つい。みなさん大丈夫でしたか?」」
PL1「「どうにかな。……十全とは言い難いが」」
KP1「「そうですか。とにかく、お戻りになられて良かったです」
……と言ったところで、竜崎と井砂が合流するな」
PL5「「お待たせ。外は大丈夫そうだったよ」」
KP1「「井砂! って……外?」と、坂原は首をかしげるだろうな」
PL5「「あー、その、外も大変だったんだよってこと。今は大丈夫みたいだけど」」
PL3「「ロビーに行くまでに、妙な怪物に会うこともなかったな」」
KP1「「出ても大丈夫、ってことか?」」
PL5「「断言は難しいけれどね……」」
KP1「と、ここで、外からサイレンの音が聞こえてくるな。……どうやら、生き残って
いる誰かが警察に通報していたらしい」
PL1「神話生物が一体でも残っていたら惨事再び、だな」
PL2「……有り得ないとは言い切れないけど」
KP1「しばらくすると、控室のドアが開き、数名の警察官が入ってくるな。
……安心しろ、この後は生き残った人間は全員警察に無事保護される。その途中で
神話生物の襲来が起こるということは、まったくないだろう。
……後日、この日の事件は新聞の一面に大々的に掲載されることだろう。ただし、
記事の中では『怪物』の存在は一切触れられることなく、『複数犯による衝撃的な
猟奇的殺人事件』ということで片付けられるだろう。また、犯人は現在も警察が
追っている、ということになっている。世間からの注目度も高く、200人近くが犠牲
になったこの事件の完全解決を望む声は大きい。
ただし、あまり有名でない週刊誌などでは、その事件の影に『怪物』の姿があったの
ではないかといった記事を載せるが……多くの人間にそれが信じられることは無い
だろう。一部の、この事件に深くかかわった者たち以外には。
PR
コメント